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尖閣事件

テレビ・新聞では尖閣事件の報道が相次ぎ、中国の高圧的な対応に危機感を募らせている。
資源・軍事戦略の両面で中国が尖閣諸島をふくむ東南の海域を支配下におさめようとしている事は、もう誰が見ても明白な事実だろう。
尖閣諸島の歴史的な経緯や国際法上の解釈など、この際中国にとっては障害では無いようだ。
北方4島や竹島への日本の対応を前例としているに違いない。

船長の即時釈放要求と日本の国内法の対峙という序盤の神経戦から、フジタの社員の拘束、レアアースの実質輸出停止という段階に至っては、ルールもモラルも無用の場外乱闘に持ち込まれた感があり、この段階で中国の本音とその手段を選ばないやり方が生々しいメッセージとして多くの日本人に届いたと思う。

窮した政府による指示で(としか思えない)地方検察が政治状況を考慮して船長を釈放という、予想を裏切る展開で一件落着になるかと思いきや、中国はたたみかけるように謝罪と賠償の要求をしてきた。
あいた口がふさがらないとはこのことだろうが、この一件によって、中国の言う謝罪と賠償という要求が、道義の仮面をかぶってはいるものの、これまでもずっと政治的な意図による情報戦争を仕掛けられていたのだということを、多くの良心的な日本人に対しても分かりやすく絵解きして見せる結果になったのではないか。

同時に日本外交の脆弱さ、戦略と危機管理能力の欠如も深刻な課題として突き付けられた。

戦後の経済成長と繁栄の中で、日本人の心の中で多くのものが失われてきたと思うが、今回の事件は日本人の領土と国防に関する意識を大きく変えるきっかけになるのではないか。
北方領土も竹島も尖閣諸島も沖縄の基地問題も、政治家や外務省だけの問題ではなく、多くの国民にとって自分自身の問題として意識するようになるのではないか。
同時に中東や東欧やアフリカや中国で頻繁に起こって来た領土と民族の血なまぐさいせめぎあいが、もはや対岸の火事では済まされなくなっている事を自覚させられたのではないか。

メディアで出てくる以上に今回の事件が日本人に与えた衝撃は大きいような気がする。
これを節目に日本の国際戦略は大きく転換するだろうし、せざるを得ないだろう。

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2010年9月27日 09:40に投稿されたエントリーのページです。

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