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2008年4月 アーカイブ

2008年4月20日

コークス暴騰 1


昨年来、燃料や食料など日本にとって購入する以外に選択肢のない素材が高騰し始めている。当社にとっても生産上必要な資材の殆ど全てが値上がりした。
包装材料、保水材、特に麻スサと燃料のコークス。


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コークスは昨年来異常な高騰を続けており、やむを得ず製品の価格改定をお願いして来ていたのだが、4月からさらに大幅な値上げの通告が来た。
コークスの流通が寡占されている現状、交渉の余地は無く、値上げを飲むかそれとも代替燃料を探すか、その2者択一しかない。

コークス暴騰の原因は色々言われているが、最大の需要家である鉄鋼会社と豪英系資源大手との交渉で石炭価格が決まるらしい。
それが3倍で決着という常識では考えられない事態が起こった。
コークスの原料は石炭であるから、そのあおりでコークスも3倍になるのは当然であるが、過去に経験が無い値上げ幅である。
原油も高騰しているが、コークスの高騰はそれをはるかに上回り、さらに7月にもう一段の値上げが有るかも知れないと予告された。

今回のコークス値上げは企業努力で吸収する限界をはるかに超えており、価格転嫁をお願いする以外に方法は無いのだが、重油焼成による石灰のコストアップよりコークス焼成による石灰のコストアップの方がはるかに大きく、この差は自力でどうにかするしか無い。
漆喰の場合、コークスや石炭を使用した土中窯で塩焼きをしなければ、まともな漆喰は出来ない。
だから当社はコークスにこだわらざるを得ない。

ガソリンなどは原油価格の情報が連日報道されており、頻繁に値上げになっても消費者には心の準備が出来ているが、石灰や漆喰の場合は事情が理解されにくい面がある。
鉄鋼は日替わりで強行に値上げ交渉を行っているので、要は力関係と情報発信力と言うことであろうか。
そもそも石炭の値上げをくい止められ無かったのも、オーストラリアの石炭が豪英系の資源大手に寡占されて、日本に価格交渉力が失われていたからだと新聞では説明している。
資源ウオーズの時代であることを実感する。

そんな中で疑問も湧いてくる。
日経新聞の記事にあったのだが、日本のM社はこの豪英系の資源大手に出資しており、そこから例年1000億程度の利益を上げていたのが、今回の値上げで2000億を超えたというのである。
翻って我々石灰の業界は全社の売上を合わせても2000億は超えないだろうと思う。
その業界はコストアップ分の転嫁に四苦八苦しており、この事態を受けて経営の危機に直面しても、値上げに独占禁止法の心配をしたりしている。
こんな場合の独禁法の役割が良く分からないし、国際的な寡占に対しては無力な制度ではなかろうか。

国際的な資源安保という視野で見れば、日本の商社には資金力を付けてもらって、欧米系の資源大手やBRICSとの競争に負けないようにしてもらいたいという思いはあるが、そこで犠牲になっているのは中小企業だけでは無いかと言う思いも一方では強い。
合従連衡で巨大化した資本の圧力の間に挟まれて、格差社会が拡大する。

だからこそ、オンリーワン・ナンバーワンで生き残る道を模索して来たのだと改めて思い返す。

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